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看護師を目指すには大学か専門学校、どちらがいいの?


こんにちは。学生満喫しまくっていた3月から早1ヶ月が経過し、なんということか私も新社会人として働いています。私は看護師として働きはじめまして、約1ヶ月経ったところで看護師になりたい人がはじめの一歩で考える最大のテーマ『看護師になるには大学か専門学校か』ということについて書いてみたいと思います。

目次
1.はじめに
2.学校選び
3.学生生活
4.臨床実習
5.国家試験
6.卒業後
7.保護者の方へ


1. はじめに
看護師になるには大きく分けて2つの道があります。それが大学か専門学校(3年過程)です。
中学校を卒業してから通う5年制の専門課程や短期大学、准看護師から…など他にも様々な方法はあるのですが、メインストリームとして今回はこの2つのお話です。

尚、私は大学(単科)を卒業して看護師になりました。専門学校については通っていないので完全な教育課程を知っている訳ではありませんが、友人から聞いた内容を元にお送りしたいと思います。
※私は教育者でもなんでもないただの一般人なので、あくまでも参考程度に読んで下さるとありがたいです。


2. 学校選び
細々とした違いは後述の項目で書いていきたいと思いますが、大学と専門学校の大まかな違いというか、メリットデメリットを挙げてみたいと思います。

大学のメリット
・看護師に加えて、保健師または助産師の国家試験受験資格がとれる。(保健師助産師の教育課程には人数制限がある場合がほとんどなので、選抜があると思います)
・一般の大学生程ではないけれど、それなりにキャンパスライフを送ることができる。(レッツパーティーピーポー)
・ゼミに所属するので、卒業論文のために看護研究ができる。(ある意味デメリットと紙一重なのですが…)

大学のデメリット
・学費が高い。(私立の場合)
・4年通わなければならない。

専門学校のメリット
・3年で卒業できるので、早く社会に出られる。
・社会人を経て入学する人も多いので、同級生の年齢層が幅広い。(18歳から50歳代の人が通っているということもあるそうです)
・看護に関する勉強だけができる。(大学では一般教養の単位もとらなくてはいけない)

専門学校のデメリット
・看護師の国家試験資格免許しかとれない。
・卒業後、基本給が大卒看護師より低い。


とまあ、おおまかな違いはこんな感じだと思います。
個人的に学校選びはとにかくフィーリングと学力との相談かと思うのですが、卒業してみて看護学校の選び方で一番考慮すべきなのは附属病院があるか否かというところに尽きると思います。
看護師になるにあたって避けては通れないのが実習なのですが、附属病院があると大体の領域での実習を附属病院で行うことになり、つまりは普段通っている学校の側で実習することができるのです。(通学距離が変わらないということ)

プラス、附属病院での実習だと同級生同士で「○○病棟の○○看護師がやばい」「○○病棟行くなら△△の勉強やっといたほうがいいよ!」なんていうお得情報も聞けたりするわけで、もう本当に何度その友人たちの言葉に救われたか。

これが、附属病院がない場合だと、実習グループごとにいろいろな病院に飛ばされ、自宅からの距離が離れる→通学時間が増える→睡眠時間削られるという負のループに陥る可能性があります。これが本当に実習中は死活問題です。
学校によってはマンスリー借りないと通えないようなところに実習に行かなければならないところもあるそうです。要注意!


3. 学生生活
私は大学に通っていたので、ここでは特に大学での学生生活について書いてみたいと思います。
専門学校についても最後の方に聞いた情報を書いてみようと思いますが、詳しいことについては専門学校に通われた他の方のブログなりを参考にしてみてください。


まず、看護系大学の1.2年は本当にふつうに大学生ができるということを申しておきたい。
たしかに、他の学部の同級生と比べると必修科目だらけで自由な時間が少ないかのように感じますが、バイトもサークルも部活も遊びも普通にできると思います。

私は「オレンジデイズ(ドラマ)」にとにかく憧れていて、大学生になったら私だけの妻夫木聡をみつける…と息巻いていたのですが、妻夫木聡が学校にいるかということを除けばオレンジデイズ的キャンパスライフを送ることができます。


それから、私は高校生の頃、大学の時間割は自分で決められるんだ…1限は休みとかにできるのかな…といった甘い幻想を抱いていましたが、それは無理。絶対無理です。笑
看護は必修科目ばかりで、選択科目なんて第2外国語にドイツ語を選ぶかフランス語を選ぶか程度の選択肢しかありません。そこはあきらめないといけない点かもしれません。

上にも書きましたが大学では一般教養の単位というのも必要でして、1.2年の間に看護的なことを学ぶ専門の単位に加えて、外国語・法学等々の一般教養の授業も受けなければなりません。とくに1年生の間は一般教養が占める割合が大きいので、他の学部ともそんなに変わりないカリキュラムが組めると思います。
1年生の時は「看護師になりたいっ☆」というキラキラモードですので、はやく専門的な勉強したいなあ、英語なんてもういいのになあ等と思っていましたが、3年4年になると「まじであの頃に戻りたい。看護もう嫌…」って心境になってくるので、今そんな時期の人は本当に楽しんでおいてほしい。


それから、なんやかんやで一番の関心事、彼氏ができるのかということですが、これは本当に個人差。
看護学生だからモテるとかは全然ない。むしろ、学年が上がるにつれて他の学科の暇そうな様子を耳にしてイラっとしてしまうことが多々あるので、その辺をうまく自分でコントロールできるのかということが大切。

下世話な話ですが、私は単科大で医・看護しかない大学だったので、医学生と付き合ってる人がすごくたくさんいました。先輩と付き合ってると先に卒業していくわけで、結果的に研修医や医者と付き合ってるという人もいます。看護男子と付き合う人はかなり少数派だと思います。そもそも母数が少ないというのがあるけれど、看護男子は友達というか仲間感がものすごくて、男性としてみていない節があります。
総合大学だと他の一般的な学部の人とも出会うチャンスが増えるので、そういう出会いもたくさんあるそうです。(聞いた話によると)


最後に、大学の場合は他の大学生と同じように長期休暇がしっかりとれます。
看護学部だから夏休みに実習があるとかはほとんどなかった。(若干食い込んでくることはあったけれど)
なので、バイトでお金貯めて海外旅行もいけます!



ここからは専門学校のお話。
専門はやはり3年ということもあって、大学と比べるとかなり忙しいです。
同じ高校を卒業して専門に行った友達と話していると、私がほとんど一般教養しか学んでいないような頃にばりばり専門的な勉強をしていました。

大学では今日は午前中授業だけという日もざらにあったのですが、専門は高校みたいな感じで毎日ぎっしり時間割が詰まっています。プラス、夏休み等の長期休暇も大学と比べるとかなり短かったです。
友達はバイトをしていましたが、平日の放課後にバイトができていた私とは違って、土日だけのバイトでした。この辺は個人差があると思いますが、やはり時間的な忙しさは専門学校の方があるのではないかと思います。
ただ、この友達はかなり合コンに参加していました。笑 私は合コンしたことありません…。
なので、モチベーションがあれば忙しくても合コンをはじめ遊んだりもしっかりできるということです。


専門学校では制服がある場合があって、大体スーツみたいな感じのやつなのですが、それでそのまま就職試験も受けることができたりするので便利だなあと思います。
私服でオシャレしたい!って方にはデメリットなのかもしれませんが、正直毎日着ていく服を考えるのってかなりしんどいですよね…。笑


それから、大学になくて専門学校にある最大の行事として私が認識しているのが戴帽式です。
一部の大学にもあるそうですが、割合的に戴帽式が行われているのは専門学校の方が多いと思います。

そもそも戴帽式ってナンヤソレという話かもしれないので説明しますと、ナースキャップを贈呈してもらえる式です。
最近の臨床現場ではほとんど目にすることはなくなりましたが、「ナースのお仕事(ドラマ)」で観月ありさが被っていたり、コスプレでナースをすると絶対についてるあのナースキャップを学生が被る日です。
一応、看護師を目指すものとしてふさわしいと認められ贈呈されるという流れがあるそうですが、学生側としてはキャンドルもってナースキャップもらう式的な認識があるのも確かで、保護者が見に来たり、なんというかちょっとロマンチックなステキ行事です。



4. 臨床実習
看護学生を語るなら、無視できないのが病院で行う臨床実習。
看護師になった人でももう2度とやりたくはないと口を揃えて言うのは間違いなくこの実習だと思います。

大学と専門学校での実習の違いはとにかく期間。
詳しく調べた訳ではありませんが、全体的に専門学校の方が実習期間が長い


私(の大学)はそれぞれの領域毎に2週間クールで回るというパターンだったのですが、専門卒の子の話を聞くとそもそも1クールが3週間だったという話や、実習が領域より細かく分類されておりその全ての実習に行かなければならないので必然的に期間が長くなってしまうのです。
私はその話を聞いて、自分は本当に大学を選んでいてよかったと心から思ったものです。

実習が長いと本当にしんどいと思います。辛いし。
ただ、それが悪いことかというと絶対にそんなことはありません。実習で行った病棟が扱う診療科のことや受け持った患者さんの疾患についてはこれでもかという程勉強し身につくものなので、その後の国家試験の勉強などにおいてものすごく役に立ちます。


そのあたり、どのタイプが自分に合うのかということをよく考えて学校選びをするのがいいかなと思います。
実習期間については大学・専門学校という大きな括りというより、その学校自体の違いによることが多いので、それぞれの学校のパンフレットやオープンキャンパス等で調べてみるのをオススメします。

ついでに、上記の附属病院の有無についても要チェックです!
附属病院がない場合の話ですが、その学校に近い病院に実習をお願いするということがほとんどだと思うのですが、最近は看護系の大学が猛烈に増えていて、実習先の病院も奪い合いになることが多いそうです。
そういった場合、昔からの付き合いがある学校の実習を受け入れて、新規の学校はお断りされるそうなので、附属病院がない学校だったらいつ設立された学校なのかをチェックして、あまり最近の学校だと遠くの病院に実習に行かなければならない可能性が高くなることを考えておいた方がいいかもしれません。



5. 国家試験
看護師になりたい者の最後の壁、国家試験。
これについて手厚いのは確実に専門学校。完全に専門学校に分があります。

看護師の国家試験は2月に行われるのですが、それに向けて一年生の頃から勉強しているという人はほんの一握りでしょう。多分。
ほとんどの人は実習後から勉強を始めると思うのですが、その時期が大学と専門学校ではかなり違ってきます。

大学の場合。
大体夏休み前(7月)に実習が終わります。(助産師過程の人はもっと後に助産実習があるかもしれません)
夏休み後毎週1~2コマくらいの授業の他はゼミくらいしか学校にくる用はありません。ただ、このゼミってやつが曲者で、ゼミ=卒論な訳で実習が終ってから猛烈な勢いで卒論の為の看護研究を始めることになるのです。
ものすごく優秀で頑張り屋さんな人なら早々に卒論を書きあげることができるかもしれませんが、おおまかな予定としては年内に卒論提出できればOKといったところでしょうか。(学校によって差がありますが)
ということで、実習→卒論→国試という流れです。
で、学校から国家試験のための何かがあるかと言われれば答えはNOで、ゼミによっては国試のための講義を行ってくれる程度で、国家試験のための勉強は完全に放置であることが多いです。個人に任せているってやつです。なので、やる気がなかったり、ぼーっとしてた子はここで国試の勉強開始に乗り遅れるわけで、全部自分でやらなきゃこの4年を無駄にしてしまう可能性もあるということです。


専門学校の場合。
実習が終るのが10月や11月。大学の人と比べるとスタートが遅くなってしまうような気がしますが、実習に最近まで行っていたので新鮮な知識が多く、実習と絡めて覚えていることも多いので勉強しやすいというのはあるのかなと思います。
実習後、国家試験の勉強に入るわけですが、学校側が国家試験のために授業をしてくれることが多いらしいです。これは本当にうらやましい。
卒業試験というのがある学校もあるそうで、これは国試っぽい問題を解いて○点以上なら卒業できますよ、ということらしいです。これは国試受かるなら絶対受かるというレベルのものらしいですが、私は受けたことがないのでよくわかりません…すみません。
流れとしては、実習→卒試→国試ということです。


国家試験の日、会場に行くと空きスペースで専門学生らしき人達が円陣を組んで「合格するぞ!」「おー!」的なのをやっていたのを見たときは、なんか怖い…怖いよ…とか思ってしまったのですが、あれほどの熱量で勉強してきたのかと思うとそれは本当にすごいことで、そこまで手厚く学校が面倒見てくれるのは素直にいいなと思いました。



6. 卒業後
卒業して無事国家試験に合格すれば、ほとんどの人が病院に勤めることになるでしょう。

大学と専門学校と、教育課程は違ってもスタートは同じです。1年目の新人として頑張って働かなくてはいけません。
実際に私がその立場になってみて思うのは、専門卒の子は技術力があるなあということです。
看護技術というのは大卒の私もそれなりにやってきたのですが、なんせ2年生のころにさらっと演習でやった程度のことが多く、完全に忘れている技術が大半でした。
でも専門卒の子たちは技術力が高い人が多くて、即戦力になるのは専門卒かなあと体感的には思います。
アセスメント力であったり知識面では大差ありませんが、技術では大卒は弱いような気がします。

とはいっても研修等技術を磨く機会は社会人になってからもありますし、そもそも技術云々ということは教育課程というよりは個人差というのもあると思うので一概には言えません。


働くということは、お給料をもらう立場になるということで、ここで大卒か専門卒かが問われます。
やってることは同じ、知識や技術も大体同じ、それでも最終学歴で基本給が変わります。(病院にもよりますが大体1~2万円くらい大卒の方が高いです)
これは仕方ないことかもしれませんが、この辺は後々にも響いてくるので、やはり学校選びの時点から考慮しておかないといけない点かもしれません。

また、大卒看護師が増えてきたという関係で、師長など上に立つ立場の人は院卒であることを求められる時代がやってくるのでは…とも言われています。
とくに大学病院ではその思想というか考えが強く、今実際にそうなっている病院も多いので、最終的に上りつめたいという意識のある方はそういったことも考えて、大学を選択し、働きながら院に通うというライフスタイルを考える必要もあるのかもしれません。



7. 保護者の方へ
保護者の方というか、本人もなのですが、やはり学校に通うということは学費がかかるということです。
大学と専門学校どちらを選択するかで家計への負担もかなり変わってきます。

大学は私立か国公立かというので本当に違う。
看護のみならず医療系の学部の私立大学は本当に学費が高いです。大体400万円くらい。
国公立なら半分の200万円くらい。
専門学校は大体150万円くらい。

プラス、白衣代とか同窓会への寄付的なものやら、定期代とか下宿代とか…考えればきりがないほどお金がかかります。


この莫大な学費を支えるために奨学金が存在します。
学生機構がやってる一般的な奨学金も使用することができますが、看護学生が使える奨学金としては病院がやってる奨学金制度というのがあります。
これは奨学金をくれる代わりに、卒業後○年はうちの病院で働いてねという約束のもとで奨学生にしてもらえるというものです。その約束の期間働けば、奨学金の返済は不要になるので、就職先も決まるしで一見一石三鳥くらい得があるように思えますが、その病院を早く辞めることになれば返済しなければなりませんし、そもそも辞めにくいという実態があるのも確かです。

奨学金といえば聞こえはいいですが、つまりは借金をするということなので、保護者の方と話し合って、どれだけのお金が必要なのか、奨学金を借りるならどこから、というところは確実に議論しておかないといけないと思います。


受験生の頃、国公立に受かれば奨学金なしで通わせる、でも私立なら奨学金と親に言われ、必死で勉強した記憶があります。
高校でも奨学金の話は先生から普通にされていたし、借りることが悪いこととは全く感じていませんでした。実際にクラスの半分くらいは奨学金を借りることにしていたと思います。それでも、奨学金を借りれば何年も返済に充てなければならないし、社会人のスタートがマイナスからになってしまう気がしていました。
最近でこそ奨学金の返済が与える影響について議論されていますが、やはり学費が高いというのは無視できない問題で、奨学金を借りることになる人も多いと思います。そのとき、どこからどれだけを、どのように返済するのか、自分の人生設計を考える必要があるかなと思います。

特に看護師を目指す人は女性が多いと思うので、奨学金を借りて何年で返済すると決めていても結婚や妊娠出産など、高校生の頃には想像できなかった理由で仕事を辞めなければならないことがあるかもしれません。
高校生の時点で自分の将来設計を考えるというのは本当に難しく、そこまでしなければならないのかと思うこともあるかと思いますが、考えておいて損はないと思います。





最後に、看護師になるのは本当に大変です。それは看護師が特別ということではないし、どんな職種でも働くということに共通して言えることだと思います。
しかし、看護師になるにあたって他の職種とは絶対的に違うことがあります。
それは、看護師になると決めて大学や専門学校に通ってしまうと、他の職種にはなりにくくなってしまうという点があるということです。潰しが効かないと言いますか…。

18歳のときに自分がどんな道に進むのか決められる人は少ないと思います。
とりあえず大学に通って、何になるかはそれから考えよう。そういう人が大半な中で、看護師になると決めて学校に通うことができるのはすごいことだと思います。
看護師はこれからの時代、ますます必要とされるし、就職難とは無縁の仕事で、お給料もまあまあ貰えるしということで、目指す人が増えているといいます。でも、仕事内容は本当に自分がやりたいと思えることなのか、内容がお給料に見合っていると思えるのかなど、考えておかないといけない点も多々あると思います。

この記事を読んでくださっている方はきっと看護師を目指されている方でしょう。
看護学生生活は大変なことも多かったけれど、他の学部では経験できないような友達とのつながりを感じたり、忙しいながらに楽しかった記憶があります。
看護師になってみて、学生のころより何倍も看護というものの難しさを感じたり、自分のふがいなさに情けなくなることが何度もあります。患者さんからもらえる感謝の言葉が嬉しかったり、憧れの先輩を見つけたり、将来の自分が今よりいい看護師と言ってもらえるように頑張ろうという気持ちにもなります。

大学か専門学校か、どちらを選択するにせよ最終的には看護師という同じフィールドで働くことになるのです。
そうなってしまえば全く違いはありません。ただ、最後の学生生活をどんな風に送るのかということだけが大学か専門学校の違いです。
自分にはどちらが合っているのか、そもそも看護師を目指すのかというところを含めて、今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。




ps.個人的に私は大学を選択して正解だったと思っています。専門学校に行った友達は専門に通っていてよかったと話していました。
結局、どちらかしか経験しないので自分が選んだ方でよかったと思ってしまうのだと思います。だから、これ!っていうきっかけはフィーリングとか、この学校の白衣が着たいとか、そういう理由もアリなんだろうなあと思います。

長文お付き合いくださり、ありがとうございました。

ロードムービー


ほとんど『冷たい校舎の時はとまる』の番外編。


(Amazonから引用)
運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。



今作はこのチャレンジ初の短編集です。
『街灯』『ロードムービー』『道の先』『トーキョー語り』『雪の降る道』の5本の短編が収録されていますが、そのほとんど(『トーキョー語り』以外)が『冷たい校舎の時はとまる』の番外編です。
この短編たちはどれも『校舎』のキャラたちの過去や現在の話であり、その中を切り取ったものであるのですが、それだけでも十分に楽しめる内容となっております。でもやっぱり『校舎』は先に読んでおいた方が二倍楽しめるかな。

皆様ご存じとは思いますが、そもそもロードムービーとは旅の途中で起こるいろいろな事件を通して主人公の変化や成長を描いたりするものです。
あの作品に出ていた彼らが今どんな風に生きているのか、それを知れるだけでとても嬉しい。

あの頃のことを思うと、何でもできるとそう思う。あの頃の仲間を思い出すと、どんなことでもできる。どんなことでも、やれる気がする。
そんな仲間をみつけることができた人はとても幸せだと思う。『校舎』であんなに苦しんでいた彼らがそうやってあの頃のことを思い返しているということが素敵だなあと思います。




ネタバレ感想。




『街灯』(校舎の数年後かな?)
・深月の部屋の明かりを見上げる鷹野。鷹野はなんだかんだ深月のことがずっとずっと好きなんですよね。可愛いね。
上でも引用した、あの頃の仲間たちへの鷹野のメッセージがとてもいい。それに尽きる。
名前のでる登場人物は鷹野だけ。


『ロードムービー』(校舎の十数年後くらい)
・トシちゃんの名前トリック、見事にひっかかる。笑
・ワタルはまっすぐでいいねえ。優しい子で愛くるしい。
・トシちゃんは私が大好きだった諏訪裕二と景子の子供。二人とも親の職業をきちんと継いでいるみたいで、優等生は優等生のままなんだなあと思った。トシちゃんの「児童会長になりたい!」って思いなんか、裕二そのままだよね。裕二は今でも景子のこと大好きみたいで嬉しいし景子がうらやましい。
・鷹野と深月がやっと結婚していた。鷹野弁護士一人前になってからって言っても、さすがに深月のこと待たせすぎだろ…と思わないこともないけど、深月はそういう鷹野のことも全部まとめて大事にしてくれそう。

1.ワタル
2.トシちゃん、本名:諏訪慧恵
3.佐川アツシ、トシの3・4年時のクラスメイト
4.遠藤キミカ、同上
5.新田アカリ、モテ子
6.ヨシヒコ、同級生
7.ハヤカワ先生、トシの担任
8.今井マコト
9.津島、クラスメイト
10.山口、クラスメイト
11.トモユキ、クラスメイト
12.ユウタ、クラスメイト、口が悪い
13.タカノのおじさん、トシの両親の親友、弁護士=鷹野博嗣
14.慧サトシ、トシのおじいちゃん
15.横田さん、栽培委員長、六年生
16.宮崎孝平、児童会長対立候補


『道の先』(校舎の2,3年後)
・名前の出てこない主人公は『校舎』の片瀬充。充の優しすぎるところは変わってないなあ…。でも梨香のハイテンションぶりにたじたじなところはずっと変わらないでいてほしい。そんな梨香は相変わらず榊くんラブでかわいい。
・千晶ちゃんの、嫌われてもないけど気を遣われる友達関係、すごく寂しいなと思う。「思ってることそのまま言っていいんだよ」っていう充はなんだかすごく大人になっている気がした。好きになってしまうのもわからんでもないなあ。
・充が千晶を捜索する時に電話する東大の友達は鷹野かなあ…、多分。

1.大宮千晶、中3のバイト生徒
2.佐藤、同期バイト
3.吉野、塾の額院長
4.ユキコ、バイト生徒
5.リエ、同上
6.さっちゃん、同上


『トーキョー語り』
・私、転校とかしたことないしずっと大阪に住んでいるので、地方コンプレックスとかとは無縁な人間で(大阪人は大阪愛が強すぎるから)、この話にでてくるような気持ちって、実際にはよくわからないのです。それでも、こんな田舎でたいって勉強する篤史や遠山さんはかっこいいなと思う。いきたいところには自分で努力していくしかないのだから。
・さくらはなんだかんだ言いながらも、きちんと一美にダメなことはダメって言えるし、ちゃんと人を見る目があると思う。何も考えてないことないと思う。それにしても篤史はクール。篤史と遠山さんがつきあってたら、それはそれで面白いカップルになってただろうになあ…。

1.水野篤志、
2.一美、クラスメイト
3.タエちゃん、クラスメイト
4.久住薫子、転入生
5.さくら、
6.遠山さん

『雪の降る町』(校舎のHERO章のあたり)
・『校舎』のときも思ったけど、ヒロ(鷹野)が深月のことを"みーちゃん"っていうのとっても可愛い。もう来ないで!とか言ってても、みーちゃんって言葉の響きがかわいすぎて全て帳消しになっちゃう。笑
・もう本当に菅原はかっこいいなあ。そりゃ榊先生になってもモテるわ。いつも軽口叩きながら、しっかり小さい子たちの面倒見てあげてるんだから素敵。これを読むともう一度HERO章読みたくなるね。ヒロとヒロにあいたくなってしまう。深月が指につけてるおもちゃの指環や菅原の片耳だけのピアス。もう一人のヒロが残した思い出はとても大きい。

1.足立絹子
2.みーちゃん=辻村深月
3.ヒロくん=鷹野博詞
4.ヒロ、
5.菅原、=榊くん
6.コウジくん、みーちゃんが喧嘩したクラスメイト
7.細野先生、ヒロくんの担任

名前探しの放課後


ついに辻村リンクの最高潮を迎えた。

(Amazonより引用)
依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ1つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」2人はその「誰か」を探し始める。
坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」二人はXデーを回避できるのか。



まず初めに言いたいのは、初辻村作品としては絶対に読んではいけない作品であるということ。
何も聞かず、黙って『ぼくのメジャースプーン』を読むのです。
時間があるなら、『凍りのくじら』『スロウハイツの神様』も読んでから挑戦しましょう。


この作品、ホラー描写は一切なく、辻村さんお得意の地方都市+田舎の学園ものでこりゃもうまさに辻村深月!としかいえない。
短いとは言えないけど、長くもない。他の作品ほど長すぎるよ~とたるむところも少ない気がする。後半ずんずん読み進めたくなる気持ちもとまらない。
内容読んで、少しひっかかりがあるところ(ネタバレの方に書きます)もあるのですが、それをおいたって彼らの青春ぶりに胸が熱くなるのです。
とにかく、読んでおくべき他の本を読んでから挑戦。その一言に尽きる。




ネタバレ感想。






・辻村さんは名前トリックをよく使うけれど、それにプラスしてこの作品では名前の呼び方/呼ばれ方で生じる人との距離とかニュアンスとかをものすごく描いていて、高校生のもどかしい感じを思い出して懐かしんでしまいます。『名前探しの放課後』というタイトルが意味するように、ここでは特にキャラの名前というのが意識されているように感じる。明日なりたいものになろう。いつかなりたいものになろう。名前の由来が似ている二人が惹かれあうのは当然のことのようにも思えてきます。
最後の最後、本当の作戦が実行されるときのみんなの優しさ、協力を読んでいて、ああ長いこと読んできてよかったなあ。と感慨深い気持ちになれます。なんでもないように書かれていたエピソードが実は伏線だったのだなあと気付かされるこの感覚が私は本当に大好き。あすなのために必死になってるいつかのことも大好き。笑

・あすなとその祖父のお互いを思いやる優しさが素敵。ああいう関係って、孫だからっていうところも大きく関係していそう。親子だとあんな関係なかなかできない。「気遣いが蔓延している」とあすなは語ったけれど、そういう家はきっと幸せな家族の形をみつけられているんだと思う。逆に、家族みんながオープンないつかの家族も素敵。私の家族はこちらに近いなと感じた。椿があすなちゃんみたいな家族を作りたいと話したとき、私もそう思うよ!と猛烈に共感。

・最後の「あすなって呼んでもいい?」「いいよ、いつか」の会話で、それだけでなんかもう満足。あすな、生きててよかったなあ…って思った。でも私、決して口がいいとは言えないいつかが、あすなのことを律儀に"坂崎さん"と呼んでいるのもなんだかいいなあと思いながら読んでいました。この距離感、なんかいいですよね。ほわほわしちゃう(意味不明。笑)



・一番初めにも書いたように、この作品は辻村リンクが発動しまくっているので、それについての感想も書かずにはいられません。辻村リンクと一緒に感想も―――


『ぼくのメジャースプーン』の6年後の世界
・『スプーン』のぼくが秀人、ふみちゃんが椿であること。
天木敬はタカシ、友春もトモとして『スプーン』に登場しています。これは、いつかとあすなの話であると同時に『スプーン』の後日談でもある。
ぼくとふみちゃんが相変わらずとても素敵なカップルでもう私は嬉しい。「別にふみちゃんが好きとかじゃないんだ」と何度も繰り返していたぼくが、あんなに真っ直ぐにふみちゃんのことを好きだと言えるようになっていて私は嬉しい。

・『スプーン』で秀人はトモ(友春)にふみちゃんとは一生口をきけないという罰を与えた訳ですが、この作品を思い返すとふみちゃんと友春は同じ場面にいなかったよね。なんだかそれって、すごい。あの世界が他の作品に続いているのを実感。

・椿が筆箱につけてる古びたキーホルダーはメジャースプーン。

・9章の秀人とレストランにいってる白髪まじりの男性は秋先生。

・いつかと秀人は病院で出会ったという描写が。秀人は『スプーン』で市川雄太に首を絞められて長期入院したせいで、年に一回検査が義務付けられているそう。

・終盤で明らかになった秀人からいつかへの言葉。
「たとえばさ。今から三ヶ月後、自分が本当に気になってる女の子が死ぬって仮定してみてよ。そうしたら、自然に誰か思い当たらない?そういうのがないなら。いつかくんの人生はすごく寂しいよ。」
この文章のせいで、頭を悩ませなければならない。私は条件提示ゲームの理解力が低いんですってば!!!条件は「本当に気になってる女の子が死ぬ」罰は「いつかくんの人生が寂しくなる」こと。この条件がいつかを必死に動かしていたモチベーションだったの?そうなら私はとても悲しい。いつかは秀人の言葉なしでもあすなの為に一生懸命動ける人だったと思いたいのに。

…というのは、いつかが本当にタイムスリップしていたのかというのにも繋がる話で、この秀人の言葉によっていつかが勝手に"タイムスリップしたことにする"と無意識的に自我をコントロールしていた可能性もある訳です。そういうことを考え出すと、もう何がなんだかわからんことになってきます。

しかし、『スプーン』で秋先生が語っていたこと。「条件を達成できないと判断すれば、自動的に罰を受けることになる」
これを考えると(タイムスリップうんぬんはおいといて)、秀人がいつかに"声"を発動させたとき、いつかには本当に気になってる女の子がいたということになるんです。そうじゃないと自動的に罰を受けてしまう訳ですから。
ということは、秀人の声を差し引いても、いつかはあすなのことをずっと気にしていたということで、声のせいで余計に必死になった部分はあるかもしれないけれど、あすなへの愛情は元々あったものだと考えていいのかなと思います。私はいつか視点のときに語られるあすなへの印象や言葉がとても好きだったので、そう考えたいと思います。

いつかが本当にあすなのことが好きで、その一心で動いた3か月間のお話だと思いたいところに、秀人の声の力のスパイスが入ってしまったことで、個人的には少し気分が下がる部分があります。『スプーン』の後日談として、あの世界のみんなが生きていることを読めるのは楽しいけど、いつかとあすなの関係にはそのスパイスを絡めてほしくなかったというのが私の感想。だって、いつかの熱い想い、それがあったから、ただそれだけであすなを生かしておくことができたと思いたいんだから。


『凍りのくじら』の6年後の世界
・ピアノがうまい松永郁也。クリスマス会で郁也のピアノを聴きにきたのは理帆子と多恵さん。

・理帆子はクリスマス会でみんなの写真を撮ってあげていて、その写真が「空気感を切り取るのがうまい」と表現されていた。理帆子は初期、人物写真はあまり撮っていないということだったので、芦沢光としてどんどんと腕をあげているのだなあと思った。


『スロウハイツの神様』の○年前の世界
・電車であすなと河野が読んでいたのはチヨダ・コーキの本。
いつかがチヨダ・コーキを全く知らない風だったので、チヨダ・コーキに関係する事件が起きる前の時代だと思う。
他にも、『凍りのくじら』のエピローグ(郁也がモデルの人物写真でコンクール入賞)で出てきた郁也は高校生よりは成長していて、この作品での理帆子は人物写真の撮影でまだそこまで達してないっぽかったので、それも考慮してこの時間軸はスロウハイツ(理帆子はカメラマンとしての地位を獲得していた)よりは過去かな。



登場人物書き出し
1.依田いつか、3組
2.長尾秀人、4組、陸上部
3.豊口絢乃、5組、いつかの元カノ
4.鶴田先輩
5.渡辺勇雄、カナエの夫、28才
6.カナエ、いつかの姉、勇雄より7才年下
7.満塁(みつる)、カナエの息子(前の世界)
8.坂崎あすな、3組
9.八木千春、あすなの中学時代の友達
10.三山志緒、あすなの友達
11.斉藤、いつかのクラスメイト
12.椿史緒、秀人の彼女
13.天木敬、5組
14.近藤、高齢の英語教師
15.守山文子、6組、敬のライバル
16.松永郁也
17.田中、いつかのクラスメイト
18.小瀬友春、2組、陸上部、河野の従兄弟
19.河野基、2組
20.三井、英語教師
21.佐渡、グリルさか咲の女性調理師
22.安田、体育教師
23.桜井奈津美、いつかの中学時代の元カノ
24.智也、陸上部
25.菱沼滋、ヒシヌマ工務店若社長
26.伊藤、ヒシヌマ工務店員
27.小池トモカ、「ニュースの泉」キャスター
28.中島ちゃん、椿のクラスメイト
29.キョウちゃん、椿のクラスメイト
30.根岸先生、椿の日本史教師
31.西野、いつかの水泳コーチ
32.野中イサム、スイミングスクール
33.岡田、同上
34.芹沢ゆう子、同上
35.武田、生徒指導教師
36.天(たかし)、カナエの息子(現在の世界)

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Author:amelia
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